ヨセミテ ハーフドーム(Half Dome)登頂 その5
2008-06-15 15:27:24
さて、最後のアプローチ。
たかだか900フィート(275メートル)。
行きの8.5マイルから計算したら何分の一かの、この短い距離にハーフドーム登頂に関する多くが占められているような気がする。
体力的にも、精神的にも。エネルギー、印象度、記憶、醍醐味などなど。
この900フィートに凝縮されていた。
まずは石段。暑いし、日陰が殆どないし、疲れを確実に増していく。
簡単には登らせないぞと、最後のケーブルに到達するまでに、十分疲れておけよと、そういうことなのかなと理解して、疲れることをよしとして、というか疲れないとその後の喜びがないと、訳の解らないことを自分に言い聞かせながら、少しずつあがっていく。距離にしておそらく150メートル程だけど、何分くらいかかったのだろう。
そして、その次に最後の登り。400フィート(122メートル)。ほんまにclimb。
色んな方がブログで、体感的には垂直、と書いてあったけど、ほんまに垂直(と感じる)。いや、これ絶対垂直(と感じる)。

(ハーフドームへの最後のアプローチ。左側に鎖があるのが見えますか?)
休息を取って、手袋つけて、いざ出陣と意気込んだものは良いものの、ものの見事に半分もたたず撃沈。
上半身に頼りすぎて握力が全くなくなってしまった訳です。この日のことも念頭にあって、トレイルランニングやハイキングを重ねてきたけど、腕力握力を鍛えることは考えてなかった。。。
(多分、もっと下半身を使って上がっていればこんなに上半身が疲れなかったはず。最初の方で足が少し滑ったので、そこから上半身を意識して使ってしまったのだと思う。。。)
下をみたら怖いし、上をみても先がみえない。引き返したらもうあがってこれない、でも上に上がる自信もない。そんなことを考えながら、ケーブルにつかまりつつ休む。
この時、早朝にでてきて良かったーとつくづく実感。この時間帯(10時前)は数人いた程度だった。昼頃だとケーブルを上り下りする人で大渋滞するので、自分のペースでいけなかったと思う。

(帰りは渋滞でした。)
体力的に撃沈してからは、あとは精神力だけ。
とにかく一歩一歩、鎖を握りしめつつ、上がる。
引くに引けない状況で、途中からは多分諸々麻痺してきて、休んで少しあがる、休んで少しあがるの繰り返し。何のためとか、上がったらどうなるとか、そんなこと考えず、動物的に行動してたような気がします。
どれぐらい時間がかかったのかはわからないけど、その行動の結果、とにかく、なんとか、ようやく、ついに、登頂。そして、先に書いた「I made it!!」という言葉になる訳です。やったー成し遂げたという感情がこみ上げて、人間に戻った時。
ハーフドームの頭は以外と広い。サッカーできそうな程。
景観を少し楽しんで、寝て、昼食を食べて、ぶらぶらして、写真撮ってもらって、2時間程。
昼頃になるとケーブルの上り下りが渋滞するというのはわかっていたけれど、次にいつこられるかわからない、というか、もう2度とあのケーブルの上りを経験したくないから次はないな、なんて思って、ちょっと長めに滞在。
ゆっくり時を楽しみました。
(因にハーフドーム上でもat&tの携帯はつながってました。僕のT-mobileは駄目。)
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